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論文

Critical slowing-down and field-dependent paramagnetic fluctuations in the skyrmion host EuPtSi; $$mu$$SR and NMR studies

比嘉 野乃花*; 伊藤 孝; 與儀 護*; 服部 泰佑; 酒井 宏典; 神戸 振作; Guguchia, Z.*; 髭本 亘; 中島 美帆*; 本間 佳哉*; et al.

Physical Review B, 104(4), p.045145_1 - 045145_7, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

We report the results of $$mu$$SR and $$^{29}$$Si NMR measurements carried out on the cubic chiral magnet EuPtSi. Our zero-field $$mu$$SR experiments revealed the development of critical slowing down of Eu spin fluctuations over a relatively wide critical region above $$T_N$$. We also found from $$^{29}$$Si NMR that the spin fluctuations are strongly suppressed by magnetic field in the paramagnetic state above 20K. These characteristic spin dynamics observed over a wide region of temperature and magnetic field suggest the presence of magnetic frustration in the spin system. Such frustration would underlie the mechanism stabilizing the short-period skyrmion lattice observed in this compound.

論文

Observation of quantum interference conductance fluctuations in metal rings with strong spin-orbit coupling

Ramos, R.*; 巻内 崇彦*; 吉川 貴史*; 大門 俊介*; 大柳 洸一*; 齊藤 英治

Applied Physics Letters, 117(24), p.242402_1 - 242402_5, 2020/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:5.55(Physics, Applied)

We investigated the magnetotransport properties of mesoscopic platinum nanostructures (wires and rings) with sub-100 nm lateral dimensions at very low temperatures. Despite the strong spin-orbit interaction in platinum, oscillation of the conductance as a function of the external magnetic field due to quantum interference effects was found to appear. The oscillation was decomposed into Aharonov-Bohm periodic oscillations and aperiodic fluctuations of the conductance due to a magnetic flux piercing the loop of the ring and the metal wires forming the nanostructures, respectively. We also investigated the magnetotransport under different bias currents to explore the interplay between electron phase coherence and spin accumulation effects in strong spin-orbit conductors.

論文

Strong-coupling theory of superconductivity in a degenerate Hubbard model

瀧本 哲也; 堀田 貴嗣; 上田 和夫*

Physical Review B, 69(10), p.104504_1 - 104504_9, 2004/03

 被引用回数:152 パーセンタイル:96.83(Materials Science, Multidisciplinary)

軌道自由度のある系における超伝導を議論するために微視的なハミルトニアンを導入する。この軌道縮退モデルに基づいて、超伝導の強結合理論を揺らぎ交換近似(FLEX近似)の範囲内で展開する。軌道縮退モデルにFLEX近似を適用すると、軌道分裂エネルギーの増大によりスピンゆらぎは増強される一方で軌道ゆらぎは抑制されるため、$$d_{x^2-y^2}$$-波超伝導が誘起される。これにより、われわれは軌道分裂エネルギーが$$d_{x^2-y^2}$$-波超伝導の出現を制御するパラメーターになっていることを提案する。

論文

Superconductivity in the orbital degenerate model for heavy fermion systems

瀧本 哲也; 堀田 貴嗣; 上田 和夫*

Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S2087 - S2093, 2003/07

 被引用回数:14 パーセンタイル:57.88(Physics, Condensed Matter)

軌道縮退のある系では軌道自由度とスピン自由度の結合効果により、さまざまな興味深い現象の出現が期待されている。特に、そのような系の超伝導については、クーパー対形成や発現機構等に関して、軌道自由度が重要な要素の1つになっていると考えられる。一方、重い電子系超伝導物質中の準粒子は、f-電子の大きな軌道縮重度のために潜在的な軌道自由度を持っていると考えられる。われわれは、軌道縮退のある系における超伝導を扱うために、軌道自由度を有する微視的なf-電子モデルにゆらぎ交換(FLEX)近似を適用した。これにより以下のような結論が得られた。(1)反強磁性相の隣にd-波の対称性を持つ超伝導相が出現する。(2)2つの軌道のエネルギー分裂の増大に伴って超伝導転移温度が増大する。これらから、軌道のエネルギー分裂は、反強磁性からd-波超伝導への転移をコントロールするパラメーターであることが帰結される。

論文

Superconductivity and antiferromagnetism in the three-dimensional Hubbard model

瀧本 哲也; 守谷 亨*

Physical Review B, 66(13), p.134516_1 - 134516_7, 2002/10

 被引用回数:28 パーセンタイル:75.41(Materials Science, Multidisciplinary)

異方的なホッピング行列$$t_{rm z}$$$$t_{perp}$$を持つ3次元ハバード模型に対して、ハーフフィリング近傍における反強磁性と超伝導の間の関係を研究した。一種のスピンゆらぎ理論であるゆらぎ交換近似を使って、さまざまな$$r_{rm z}=t_{rm z}/t_{perp}$$の値に対して相図を計算した。$$r_{rm z}$$の増大に伴って、ハーフフィリング電子密度の周りの反強磁性相は広がるが、一方で、それに隣接した異方的な$$d_{x^{2}-y^{2}}$$-波超伝導相は縮まる。適度な$$r_{rm z}$$の値に対して、われわれは低温で$$d_{x^{2}-y^{2}}$$-波超伝導相から非整合スピン密度波と$$d_{x^{2}-y^{2}}$$-波超伝導の共存相への二次転移を見つけた。この共存相に近づくと、非整合スピン密度波の波数を持つスピンゆらぎのソフト化された成分が発達する。

論文

Spin fluctuation-induced superconductivity controlled by orbital fluctuation

瀧本 哲也; 堀田 貴嗣; 眞榮平 孝裕; 上田 和夫*

Journal of Physics; Condensed Matter, 14(21), p.L369 - L375, 2002/06

 被引用回数:55 パーセンタイル:87.93(Physics, Condensed Matter)

f-電子系における超伝導を議論するための微視的模型として、f-軌道の対称性を反映した軌道縮退ハバード模型を提案する。軌道縮重のある領域においては、スピンゆらぎと軌道ゆらぎの間の相殺が一重項超伝導を不安定化するが、結晶場効果などによって軌道縮退が解けると軌道ゆらぎが抑えられ、スピンゆらぎを媒介としたd-波超伝導が出現する。われわれはこのシナリオが最近発見されたCe-115超伝導体に適用できることについて議論する。

論文

Frozen concentration fluctuations of a poly(N-isopropyl acrylamide) gel decomposed by neutron spin echo

小泉 智; Monkenbusch, M.*; Richter, D.*; Schwahn, D.*; 安中 雅彦*

Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.320 - 322, 2001/05

高分子ゲルは、高分子準濃厚溶液に化学架橋を導入した物質であり、このため一般の溶液と異なり流動性を失う。言い換えれば、ずり弾性率などの力学量が固体と同様に検出できる。このことは微視的には、濃度揺らぎの一部が架橋構造によって凍結され、個々の高分子鎖の相互位置関係が時間変化しないということに相当する。しかしながらゲルは大量の低分子溶媒(水など)を含むため、自由に変形でき液体的な側面も十分に残しており、微視的には時間とともに緩和できる濃度揺らぎが部分的に存在していることになる。本研究は、中性子スピンエコーと中性子小角散乱の併用で、凍結された濃度揺らぎの構造因子を小角散乱の領域で定量的に観察した。その結果、ポリイミドプロピルアクリルアミドゲルでは摂氏28度において、前方散乱強度の約35%が凍結されていることがわかった。またこの凍結成分は温度とともに増大し、体積相転移点(摂氏34度)付近では、約55%に増大することがわかった。またその構造因子は波数qについて、q$$^{-4}$$で急激に減衰し、固体から液体へのクロスオーバーが、ゲルの編み目構造との相対的な長さ関係で決定されることが確認された。

報告書

サーマルストライピングに関する研究の現状と今後の研究計画

村松 壽晴; 笠原 直人; 菊池 政之; 西村 元彦; 上出 英樹

JNC TN9400 2000-010, 168 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2000-010.pdf:8.78MB

サーマルストライピングは高温と低温の流体が構造材に交互に接することにより、構造材の温度分布が時間的に変動し、結果として構造材に熱応力による高サイクル疲労を生じさせる現象である。ナトリウム冷却高速炉では、ナトリウムの高い熱伝導率により流体側の温度変動が構造に伝わりやすいため特に留意が必要である。本現象は流体と構造の境界分野にある複雑な現象であることから、十分な解明がなされておらず、設計では構造表面での温度変動幅を考えられる最大温度差である流体の混合前温度差とするか、モックアップ試験により温度変動幅等を測定した上で保守的に設計条件を定めることが多い。また、その方法はルール化/基準化されていない。これに対し、著者らは流体と構造の両面からの分析により、流体側の温度変動の発生から構造内への伝達までの過程を現象論的に明らかにしつつあり、熱疲労に対する支配因子として温度ゆらぎ振幅の減衰に着目している。これまでに、流体内、熱伝達、構造材内での変動の減衰を考慮し、疲労損傷、き裂進展まで評価できる解析コードシステムを構築してきており、実機解析を通してその適用性を確認した。今後は、実験検証を継続して一般化していく予定である。さらに、高速炉の経済性向上に寄与するためには、温度変動の減衰を含め熱荷重を合理的に評価し設計に適用できる「サーマルストライピングの評価ルール」を確立する必要がある。その原案を構築し、大きく2つの道筋を立てた。すなわち、現象解明を進めることによって、温度ゆらぎ振幅の減衰機構等の支配メカニズムを忠実にモデル化した詳細解析手法を提示するとともに、安全率を明確にした見通しの良い簡易評価手法を提案し、解析に基づく詳細評価手法と並行して選択できる評価体系を整備する。本報ではこの目標に必要な実験計画を策定し、さらにより一般的な熱荷重の取り扱いについて検討した。

報告書

Development of structural response diagram approach to evaluation of thermal stress caused by thermal striping

笠原 直人; Yacumpai, A.*; 高正 英樹*

JNC TN9400 99-019, 34 Pages, 1999/02

JNC-TN9400-99-019.pdf:0.97MB

原子力プラントの中で温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、熱応力による構造材の疲労破損に注意する必要がある。この現象はサマールストライピングと称され、熱流体と構造が複雑に関連し合う現象であることから、従来はモックアップ実験による評価が行われており、簡便で合理的な設計評価法が必要とされていた。これに対し、温度ゆらぎの振幅は流体から構造材への伝達過程において、乱流混合、分子拡散、非定常熱伝達、および熱伝導による温度除荷の各要因によって減衰し、その特性は周波数依存であることが解明されてきている。筆者らは、このうち非定常熱伝達と温度除荷の効果に着目し、両者による温度振幅の減衰効果を温度ゆらぎ周波数の関数として定量的に記述した構造応答線図を開発した。さらに本線図を設計へ応用するため、無次元数を導入することによって線図の一般化表示を行った。無次元化された構造応答線図の妥当性は、有限要素解析の結果との比較により検証した。本線図を利用することによって、流体温度ゆらぎ振幅から非定常熱伝達と温度除荷による減衰効果を考慮した熱応力の振幅を簡易に評価することが可能となる。

報告書

高速炉配管系におけるサーマルストライピング条件の解析的検討(II); 高速原型炉「もんじゅ」炉外燃料貯蔵槽配管合流部に対する検討

村松 壽晴

PNC TN9410 98-044, 47 Pages, 1998/06

PNC-TN9410-98-044.pdf:6.69MB

高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒、制御棒上部案内管、炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し、その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に、冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では、大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から、この熱疲労に対する配慮が必要となる。本報は、高速原型炉「もんじゅ」炉外燃料貯蔵槽冷却系内の配管合流部(最大温度差110$$^{circ}C$$,流速比0.25)を対象として、サーマルストライピング条件を解析的に検討したものである。得られた結果は、以下の通りである。(1)主配管直管側の流速が枝管側流速の1/4と小さいため、主配管上流側に位置する90$$^{circ}$$エルボによる2次流れの影響は無視し得る程度に小さい。(2)直接シミュレーションコードDINUS-3による温度ゆらぎ振幅の最大値と実効最大値との比率は約3.18であり、「もんじゅ」内包壁の健全性評価に用いた同値6.0は十分な安全裕度を持った値であったと判断できる。(3)時間平均Navier-Stokes方程式に基づくAQUAによる温度ゆらぎ振幅実効値は、DINUS-3コードによる値の約4.9倍であった。配管合流部に循環領域が現れる当該問題では局所平衡の仮定が成立せず、対流効果および拡散効果を簡略化したモデルを採用するAQUAモデルの適用上の限界が示唆された。

論文

Experimental analysis of coherent neutron flux fluctuations observed in a pressurized water reactor

鈴土 知明; Tuerkcan, E.*; H.Verhoef*

Nuclear Science and Engineering, 129(2), p.203 - 208, 1998/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

オランダボルセレ炉(PWR)の中性子束ゆらぎ解析を、ゆらぎの大きさに最も影響のある空間的にコヒーレントなゆらぎモードに注目して行った。解析の結果、0.03Hz付近に2次の方位角方向の振動モードの振動が観測された。また、0.1Hz付近にはコアワイドモードの振動が観測され、その強度は2次の方位角方向の振動モードに比べ非常に大きかった。冷却材温度等のほかの信号の解析もすることにより、2次の方位角方向の振動モードは熱水力ゆらぎから中性子束ゆらぎへの一方向的な影響によるもので、コアワイドモードは双方向、すなわち核熱カップリングによるものと示唆された。将来の大出力PWRでは冷却材温度ゆらぎの増大が懸念されるが、その研究結果は熱から核への一方向的な影響ではなく、双方向効果によるゆらぎモードを抑制することにより中性子束ゆらぎ量を抑えることができることを示唆している。

報告書

冷却材温度ゆらぎ現象の解析的評価手法の開発(XII) - 定常不規則温度ゆらぎ挙動の周波数領域における検討 -

村松 壽晴

PNC TN9410 98-013, 48 Pages, 1998/03

PNC-TN9410-98-013.pdf:1.51MB

高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎと構造物とが熱的な相互作用を起こし、その構造材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。本報では、当該熱的相互作用を定量的に把握する目的で行われた衝突噴流ナトリウム実験(TIFFSS-I)の時系列データを用い、定常不規則温度ゆらぎ挙動の周波数領域での検討を行った。得られた結果は、次の通りである。[自己パワースペクトル密度関数](1)流体境界層外から試験片内部に向かうに従い、高周波成分の寄与が大きく低下する。これは、境界層および流体から試験片への熱伝達による高周波成分に対するフィルタ作用によるものである。(2)ノズル流速に対する依存性は、境界層外温度、境界層内温度および試験片表面温度で観察される。ただしこの依存性は、20Hz以上の周波数帯についてのみ顕著である。これはノズル流速による乱流強度(乱流微細渦スケールのパワー)の上昇によるものと考えられる。[コヒーレンス関数](1)流体境界層内温度同士のコヒーレンシィは極めて小さい。これは流体境界層外温度が、乱流現象の本質である不規則挙動に支配されていることを示唆している。(2)異なる種類の熱電対間でのコヒーレンシィは、近距離にあるもの同士についてのみ高い値を示す。しかしながら、有意なコヒレンシィ値を示す周波数帯は、比較的低周波成分のみ限られる。[伝達関数](1)流体境界層外から流体境界層内、および流体境界層内から試験片表面への伝達関数では、3-10Hz近傍にゲインの高い領域が生じる。なお、20Hz以上の周波数領域では、非線形特性が卓越するようになるため、伝達関数に連続性が無くなる。(2)伝達関数はノズル流速の変化に対して大きな変化を示さず、普遍的表示式の導出に関する見通しを得た。

報告書

高速炉配管合流部におけるサーマルストライピング条件の解析的検討(I); 配管合流部における流速比に関する検討

村松 壽晴

PNC TN9410 98-007, 93 Pages, 1998/02

PNC-TN9410-98-007.pdf:7.52MB

高速炉の炉心出口近傍では、炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒、制御棒上部案内管、炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると、冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し、その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に、冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では、大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から、この熱疲労に対する配慮が必要となる。本研究では、高速炉配管合流部におけるサーマルストライピング条件を解析的に検討するため、内径の等しい90゜エルボ付き主配管と枝管から成る配管系合流部に対し、流速比をパラメータ(主配管流速/枝管流速:0.25,0.50,1.00,2.00および4.00)としたサーマルストライピング解析を、直接シミュレーションコードDINUS-3で行った。得られた結果は、次の通りである。(1)配管合流部下流側に形成される温度ゆらぎ挙動は、主配管流れと枝管からの噴流との相互干渉により生じる比較的周波数の低い変動($$<$$7.0Hz)に、枝管外縁から放出される比較的周波数の高い変動($$<$$10.0Hz)が重量したものである。(2)主配管内天井面における温度ゆらぎ振幅のピーク値は、主配管内流速を増加させることによって減少した後増加する傾向を示し、その発生箇所位置は主配管内下流側に移動する。(3)主配管内床面における温度ゆらぎ振幅のピーク値は、主配管内流速を増加させることによって増加する傾向となり、その発生箇所位置は主配管内下流側に移動する。今後の研究では、配管径比、流量比、合流部上流のエルボ個数、レイノルズ数、温度差などの効果を含め、実験的研究による現象論的な考察結果を加味しながら、挙動の定量化を図ってゆく必要がある。

報告書

冷却材温度ゆらぎ現象の解析的評価手法の開発(XI)-流体-構造非定常熱的応答特性に係わる評価手法の検証-

村松 壽晴

PNC TN9410 97-039, 187 Pages, 1997/05

PNC-TN9410-97-039.pdf:11.45MB

4種類の解析コード (汎用多次元コードAQUA、直接シミュレーションコードDINUS-3、直接法モンテカルロコードTHEMISおよび境界要素法コードBEAMSET)より成るサーマルストライピング解析評価手法のシステムレベルでの検証を行うため、流体-構造非定常熱的応答に関する既往ナトリウム試験の数値解析を行った。検証に用いたナトリウム試験は、4mm隔てて平行に置かれた噴流ノズル (5mm$$times$$9mm)の下流側35mm位置に速応性熱電対を横方向に2mm間隔で貼り付けた試験片(SUS304鋼)を設置し、噴流ナトリウム温度を300$$pm$$20$$^{circ}C$$に固定した条件で噴流流速を変化させ、温度ゆらぎ挙動を測定したものである。得られた解析結果に基づき、温度ゆらぎ温度ゆらぎ実効値、温度ゆらぎ振幅および周波数の頻度分布、温度ゆらぎ挙動の自己パワースペクトル密度および境界層内温度ゆらぎ減衰特性などの統計量を評価し、実験によるそれらとの比較を行った。この比較の結果、同解析評価システムにより、流体-構造非定常熱的応答挙動を精度良く模擬できることを確認した。

論文

Strong correlation between magnetism and superconductivity in a single crystalline UNi$$_{2}$$Al$$_{3}$$ and UPd$$_{2}$$Al$$_{3}$$

佐藤 憲昭*; 阿曽 尚文*; 立岩 尚之*; 古賀 信彦*; 小松原 武美*; 目時 直人

Physica B; Condensed Matter, 230-232, p.367 - 369, 1997/00

 被引用回数:15 パーセンタイル:66.68(Physics, Condensed Matter)

重い電子系超伝導体UNi$$_{2}$$Al$$_{3}$$及びUPd$$_{2}$$Al$$_{3}$$の上部臨界磁場の異方性と中性子散乱実験の結果について報告する。この2種の化合物について上部臨界磁場の異方性を測定したところ、UNi$$_{2}$$Al$$_{3}$$では磁場がa軸に平行な場合の方がc軸に平行な場合よりも大きく、UPd$$_{2}$$Al$$_{3}$$とはその異方性が逆転していることがわかった。この異方性の違いは、これらの化合物では異なった超伝導状態が安定化しているためと考えられる。UPd$$_{2}$$Al$$_{3}$$の中性子散乱実験によって超伝導転移温度の上下で変化するスピン揺らぎが見つかり、これは異方的なギャップを反映していると思われる。またUNi$$_{2}$$Al$$_{3}$$では磁気及び超伝導秩序変数の結合を示す結果が得られた。重い電子系超伝導体のなかでも磁気モーメントが比較的大きく、磁気秩序が安定と考えられる物質では、本研究においてはじめて秩序変数の結合が観察された。

報告書

冷却材温度ゆらぎ現象の解析的評価手法の開発(X) 境界要素法コードBEMSETによる構造物熱的応答基本特性の検討

村松 壽晴

PNC TN9410 96-136, 92 Pages, 1996/05

PNC-TN9410-96-136.pdf:2.53MB

高速炉の炉心出口近傍では,炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量,集合体流量)の違いから,炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ,それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒,制御棒上部案内管,炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると,冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し,その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に,冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では,大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から,この熱疲労に対する配慮が必要である。本研究では,構造物熱応答挙動を容易に解析評価できるようにするために開発されている境界要素法コードBEMSETを用い,各種の温度過渡条件(正弦波温度過渡,一様乱数温度過渡および正弦波上に一様乱数を重畳させた温度過渡)下におけるSUS316製円筒構造物の熱的応答基本特性を検討した。この検討の結果から,温度過渡挙動が明瞭な周期性を持たない実際の高速炉プラントを評価の対象とする場合には,炉内構造物の熱的応答特性は流体中の不規則温度ゆらぎ挙動に強く依存するととが考えられるため,これを発生させる乱流現象の評価が極めて重要であることを明らかとした。

論文

Small-angle neutron scattering study of anomalous mixing behaviors in deuterated polystyrene/poly(vinyl methyl ether) mixtures near the glass transition temperature

武野 宏之*; 小泉 智; 長谷川 博一*; 橋本 竹治*

Macromolecules, 29(7), p.2440 - 2448, 1996/00

 被引用回数:30 パーセンタイル:74.65(Polymer Science)

高分子混合系の一相状態における熱的濃度揺らぎのふるまいは、乱雑位相近似を用いたdeGennesの散乱関数で良好に記述できることがこれまでの研究で明らかとなっている。しかしこれらの結果は主に高分子のガラス化が問題とならない高温領域でなされている。本研究ではガラス化が問題となる温度領域で熱的濃度揺らぎがどのような影響を受けるかを明らかにすることを目的として中性子小角散乱測定を行った。時にガラス転移温度Tqに大きな差のある混合系では系がガラス化するのに伴い小角散乱強度がdeGennesの式より過剰に減少することが観察され見かけ上熱的揺らぎが過剰に抑制されていることが明らかとなった。またここから評価されるFlory-Hugginsの相互作用パラメータXに波数依存性が生じることが明らかとなった。

報告書

オンライン臨界安全監視システムの基礎研究(4)

not registered

PNC TJ1632 95-001, 107 Pages, 1995/03

PNC-TJ1632-95-001.pdf:2.58MB

安価で即応性の良い臨界安全監視システムの開発が望まれている。本研究は未臨界体系で観測される中性子信号揺らぎを用いてオンラインで未臨界度を推定しようとする試みであり、そのための基礎的研究を平成3年度より行ってきた。未臨界度が浅い状態から深くなる非定常状態では、この逆の非定常状態のときほど高速には未臨界度の変化を追跡できない問題があり、本年度はこの問題を解決するための最適アルゴリズムの検討を行うと共に、動燃事業団DCA実験炉雑音データを解析し、以下の結果を得た。1.未臨界度が変動する非定常状態における未臨界度推定アルゴリズムとしては、我々が提案してきたP行列活性化(P-matrix Activation:PMA)法を更に改良したP行列対角要素活性化法(PMDA法:P-Matrix Diagonal Activation Method)が有効である。特に、未臨界度が深い方向に変化する場合は最小2乗関数を評価関数とするELS法、及び適切な忘却計数パラメータを用いたRPE法が優れていると言える。しかし、未臨界度の変化がどの方向に変化するのか分からないような一般的な場合、細かいパラメータを選択する必要のない点で、RPE法よりもELS法にP行列対角要素活性化を組み合わせたアルゴリズムが最も有効であるととの結論を得た。2.従来から我々が行ってきた近大炉実験データの信号処理法が、DCA実験装置を用いた中性子検出器揺らぎ信号の解析にも有効であることが実証された。すなわち、本年度、動燃事業団・大洗工学センターのDCA実験装置を用いて行われた未臨界定常運転時の中性子信号揺らぎデータを解析した結果、未臨界度が0$$sim$$$11.2に対し、周波数スペクトル折れ点周波数は数Hzから数十Hzの間に分布している。

報告書

サーマルストライピング現象の数値解析に関する研究

村松 壽晴

PNC TN9410 94-233, 264 Pages, 1994/08

PNC-TN9410-94-233.pdf:13.53MB

サーマルストライピング現象を解析的に評価可能とするため、乱流現象に対する時間平均輸送モデルに基づく解析コードおよび直接数値シミュレーションコードを開発した。サーマルストライピング現象は、定常不規則温度ゆらぎ挙動として特徴づけられ、高速炉の炉心出口近傍において高低温冷却材の混合過程で生じるものである。この現象は、炉心出口近傍に位置する炉心上部機構や整流筒などの構造物に定常的な熱疲労を与えると考えられるため、高速炉における熱流動設計上の重要な評価項目の一つとして認識されている。本研究では、サーマルストライピング現象を評価するために新たに開発を行った解析コードを用いて、水およびナトリウムを作動流体としたサーマルストライピング基礎実験の解析を行い、広範囲の実験条件で得られた結果と比較検討を行った。更に、高速炉の炉心出口近傍を実寸大で模擬したナトリウム実験の解析を行い、同様に実験結果との比較を行った。これらの実験結果との比較検討より、本研究で開発したサーマルストライピング解析コードは、温度ゆらぎ挙動の振幅と周波数を評価する上で実用上十分な精度と高い計算効率を有していることを確認した。以上の結果より、従来ほとんど実験的手段に依存してきたサーマルストライピング現象に対する評価を、本研究で提案した解析的評価手法によって置き換えが可能であることが示された。

報告書

冷却材温度ゆらぎ現象の解析的評価手法の開発(VI) DINUS-3コードによるナトリウム温度ゆらぎ特性の検討

村松 壽晴

PNC TN9410 94-182, 29 Pages, 1994/06

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炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量、集合体流量)の違いから、炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体・制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ、それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が原子炉の炉心出口近傍に発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が、炉心上部機構各部(整流筒、制御棒上部案内管、集合体出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過する際に、冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播すると、その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に、冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速増殖炉では、高い熱伝導率を持つ液体金属ナトリウムの性質から大きな熱疲労の発生が懸念されている。本報では、分子拡散効果が乱流拡散効果に対して相対的に卓越する液体金属流の温度ゆらぎ評価に対するDINUS-3コードの適用性を検討するため、非等温平行噴流ナトリウム実験の解析を行い、水を作動流体とした同実験結果との比較検討を行った。この結果、実験により既に確認されている以下の特性を、模擬できることが確かめられた。(1)ナトリウムを作動流体とした場合の境界層よる温度ゆらぎ振幅の減衰量は、境界層厚さが水の場合の約1/4と薄いため、水を作動流体とした場合の約1/3倍に留まる。ナトリウムを作動流体とした場合、境界層厚さが薄くなる主な原因は、分子拡散効果が卓越することにより境界層内での状態量が急速に平坦化されるためである。(2)ナトリウムを作動流体とした場合の確率密度関数の標準偏差は、水を作動流体とした場合の約半分となる。これは、ナトリウムが持つ高い熱伝導率と小さな分子粘性に起因するものであり、現象自体が小渦塊スケールに支配されるためである。(3)作動流体の違いによる温度ゆらぎ頻度分布特性の変化は、実験において未だ現象論的解釈が行われていないものの、実験で確認されているその特性の変化、すなわち、水を作動流体とした場合の温度ゆらぎ頻度分布がレイリー分布に従い、またナトリウムを作動流体とした場合のそれが指数分布となる実験的事実はDINUS-3コードによって模擬可能である。以上より、DINUS-3コードは、分子拡散効果が相対的に卓越する液体金属温度ゆらぎ現象の評価に対しても十分な適用性を持つことが確認された。

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